テレビ業界を辞めました。
これからこの業界で働く皆様に、覚えているうちに実態とアドバイスを。
気になるのは、テレビ業界のメリットとデメリットだと思うので
そこをメインに書いて見ようと思います。
※あくまで私の経験上です。番組や職場により差異はありますので鵜呑みにせず。
まずはデメリットから。
①どう足掻いてもブラック
これに関しては逃れようがありません。ブラックです。
「昔に比べたら」なんて言いますが、どう足掻いてもブラックです。
例えば収録の前、夜通し準備して会社に寝泊まりすることもあります。
繁忙期だと編集所で3日~1週間帰れないこともあります。
気づいたら1か月休めてなかった、ということもあります。
昼夜土日関係なく連絡が来ますので、PCを置いて出かけることはまず出来ない。
一生働いている感覚です、途切れないんですね。
番組にもよると思いますが、今でもこういうことがまかり通っています。
②ADは給料が安い
私は大きな問題のひとつだと考えています。
とにかく給料が安い。上記に記載した通り、時間外労働が当たり前の業界ですが
時間外労働代+残業代は存在しないものと考えた方が良いと思います。
見込みでは入っていますが、正直そんなんじゃ足りないくらい働きます。
相場は手取り月20万円前後です。
③太る
テレビ業界の時間軸はバグっています。
「時間外労働代が発生しない」と書きましたが、それはスタートも遅いからです。
平均出勤時間は13時、繁忙期でない場合の退勤時間は平均20時。
自ずと夕食の時間が遅くなるのです。
そして繁忙期に入ると徹夜で作業…すると、夜食が発生します。
朝は食べず、昼食を食べ、遅めの夕食を食べ、夜中にもご飯を食べ…
そして収録やロケがあるとこのサイクルですら崩れ、ご飯が食べられない日も…。
絶望的に「規則正しい生活」を送れないので、太るし、生活習慣病にかかりやすい。
夜食食べちゃった、太る…⇒帰れない、忙しい…幸せになりたい…⇒食べ物
この悪循環で、テレビ業界の人々は肥えていきます。
特に男性にその傾向が多く、瘦せていたころの写真を見せてもらい驚くことも。
女性でも5キロ太ったという話はよく聞きます。
④美意識が下がる
3日も自宅で寝れず、働き続けていると
当然、自分の見た目には気を遣えなくなってきます。
3日前のメイク落としてないなぁ、脇の下から発酵した匂いがする…
自分の足の臭さで酔った…前髪がセルフオイルでバーコード…頭痒い!
あんまり普通に生きていると体験できない感情かもしれませんね。
(もちろん、サウナに行ったり、ネカフェに行ったりできることもあります)
次第に、メイクしないでいいや、となります。
⑤予定が立てられない
美意識が下がる原因のひとつに、これも挙げられます。
基本、芸能人合わせの業界です。面白いものを撮影するためなら、どんなに急でも
OKするのがテレビマンです。
なので、急に予定が入った!は当たり前です。
美容院、ネイル、歯医者、友人との予定…恐る恐る入れることになります。
インスタのストーリーで、周りの同年代のキラキラした姿を見ると
本当に嫌になりました。
あと予定立てたいけど安月給でそこに割けない…ってことも。
⑥思っている以上にマルチタスク
皆さん、テレビ業界ってどんな印象持っていますか?
私は、ADと言えば現場を走り回っているものだと思ってました。
実は意外とデスクワークも多いんです。
「このネタをやろう!」と決まったら、それについて徹底リサーチ。
ロケしましょう、となったら、ロケ場所をリサーチ。
予算やロケ日に使用できるかの確認も必要です。
地図の作成、ロケスケジュールの作成、新幹線のチケットの手配に機材の確認、
技術さんや美術さんにも連絡が必要、プロデューサー、作家、ディレクターの
スケジュール確認などなど…挙げ始めたらキリがないです。
芸能人がいる現場に行けるのは、月に1回~2回くらで
他は雑務をしていることがほとんどだと思います。
私は「テレビ業界のシンデレラ」と呼んでいました。
(この項目に関しては、本当に番組によると思います。)
⑦全盛期を知らないわたしたち
ADからランクアップするとディレクターになります。
ディレクターの多くは40代が多いのですが、その年代はAD時代がテレビ全盛期。
今よりもっと厳しい労働環境だけど、視聴率が20%あった!
…なんて時代を生きてきた方々です。
今はどうでしょうか。YouTubeやNETFLIX、TikTok等々に追いやられ
テレビを見ている人口は激減しました。視聴率も、言うまでもないです。
例え1%だったとしても、それは日本の人口で言うと〇〇人で…と言われても
やはり分かりやすく大きな数字が見えないとやる気が出ません。
見てくれている人がたくさんいた昔のブラックと、今のブラックでは訳が違います。
コンプライアンスに雁字搦めにされたこんな世の中じゃ。
⑧(女の子限定)生理不順になりやすい
ここまで書いて、テレビ業界が中々にストレスが溜まり、不規則な業界である
ということは理解していただけたかと思います。
これは、生理と信じられないくらい相性が悪いです。
ストレスで生理不順になり、いざ生理が来たら重く、情緒不安定になる。
でも忙しくて休めない、なんなら編集所で3日帰れない、不潔、痒い
みたいな地獄になります。でも生理不順で終わるならマシです。
婦人科系の疾患になり、子宮を全摘出という話も聞いたことがあります。
かく言う私も、今回ブログを書くに至ったのはこれがきっかけです。
これらが、私が主に考えるテレビ業界のデメリットです。
考えたらまだありそうですが、今思いつくのはここまで。
想像以上に長くなってしまったので
続きは②に書こうと思います。
②はメリットから入ります。